素直になりたい。
「よし。これで終わりっと」


大道具や小道具の片付けを終え、ごみを捨てに行った。

ごみ捨て場から見える校庭では、すでに片付けを終え、これから始まる後夜祭の余興をやる人たちがキャンプファイアの前に集まっていた。

その中に1人、知らなくもない人がいる。

いや、良く知っている人がいる。

遠くからでも、その背格好で分かる。

数ヶ月ぶりに袴に袖を遠し、弓矢を構えている。

向こうの的に向かって蛍光塗料が塗られた矢を放つらしい。

それが弓道部の伝統芸らしく、文化祭の後の後夜祭では毎回やっているという。


< 272 / 372 >

この作品をシェア

pagetop