素直になりたい。
「おはよう」


櫻庭の顔を見て、私の胸で、パンッと何かが弾け飛ぶような音がした。

私は大股で櫻庭に近づいていった。


「櫻庭、あんたでしょう?私の昔の写真メールで皆に送ったの!

なんでこんなこと、するの?!

嫌がらせ?!私の何が嫌なの?!

こんな姑息なことしてる時間あるなら、はっきり言ってよ!」

「何急に?何の話?」

「とぼけないで!こういうことするの、櫻庭くらいしかいないんだから!ほんと、さいってー!もう...もう私に関わらないで!」

「鷲尾っ!」


腕を掴まれそうになったけど、私はそれを振り切って走った。

向かう場所なんて、ただ1つ。

そこしかなかった。

< 277 / 372 >

この作品をシェア

pagetop