素直になりたい。
「おーい、どうした?」


櫻庭が顔を覗き込む。


「近い。そういうのやめて。ってか、私をからかわないで。なんで私なの?意味不明」


櫻庭に背を向け、持ち場に戻る。

よくよく考えてみれば、私達は道のど真ん中で争っていた。

お互いにバカだ。

アホだ。

しょーもない。

何やってんだろ、私...。

くだらないことを永遠と。

ほんと、櫻庭といるといっつもこうなる。

昔から相性が悪すぎだ。


「おはようございます」


気を取り直して挨拶運動を再開した。

櫻庭は私から離れた場所で誠実に挨拶をしていたのだった。

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