素直になりたい。
「その人は直ちゃんのこと、よーく分かってくれる人なのかい?」

「えっ...」


動揺していた私に祖母が優しく語りかける。

私は重力に従ってうんと頷いた。


「直ちゃんがそう言うなら、ばあちゃんは信じるよ。

なんてったって、可愛い可愛い孫だからねぇ。

いーや、可愛いだけじゃないねぇ。真面目で賢くて優しくて思いやりのある良い孫だよ」

「おばあちゃん...ありがと。私のこと、そんな風に思ってくれて」

「ばあちゃんなんだから、当たり前さ。

ばあちゃんは直ちゃんが直ちゃんらしく生きていられるなら、どんな道を進もうと応援するよ。

だから、直ちゃんは心から幸せだって思える瞬間を、生きて生きて生きて、幸せになってちょうだい」

「うん...」


祖母は昔と何も変わってなかった。

いつも私の味方で、

いつも私の推進力になってくれた。

これからもその偉大な力を借りながら、

私は前向きに

自分の進みたい道を

歩んでいく。

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