素直になりたい。
エピローグ
「ふわぁ。直禾、おはよう」

「おはよ。朝ごはん出来てるよ。ったく、ほんと、お坊っちゃんは何も出来なくて困りますねぇ」

「いや、ほんと、申し訳ないっす...」

「申し訳ないって思うなら朝早く起きて一緒にご飯作るとか、掃除するとか、洗濯するとか、そういう...」


......ずる。

ほんと、この人はずるい。

私が怒り出すと、いつも後ろから抱き締めてくる。


「ごめん...。明日はごみ出しするから許して」


なんだ、覚えてたのか。

なら、しょうがない。

許すか...。


「分かった、許す。それより、早く食べて。今日は2人共1限からなんだから」

「了解でぇす」


なんか、2人になって、甘えてくるようになったというか、キャラ変したというか、そんな気もしないでもないけど、

それでも、まぁ

好きなのには、

大好きなのには変わりないので、

私は今日も

彼の目の前で、

朝食を食べる。

そして、歯を磨いたり、髪を整えたり、色々こなして、

家を出る。

< 367 / 372 >

この作品をシェア

pagetop