素直になりたい。
閑散としてしまった部屋で1人、騒がしい胸を必死に宥めながら考える。

そもそも、だ。

私みたいなやつに

あんなことや

こんなこと、

してくれる方っています?

今日のデートもただのお礼でやましい気持ちを持ってやってくるわけがない。

しかも、あの天羽くんだよ。

ないない。

絶対、ない。

あり得ない。

そんなのは夢のまた夢。

私なんかが夢を見てはいけない。

至って普通に、

大きな駅に行くから、いつもより少しおしゃれしたかなぁってくらいのテンションでいこう。


よし。


私は時間まで勉強するべく、机に参考書を広げたのだった。

< 80 / 372 >

この作品をシェア

pagetop