素直になりたい。
――ドサッ。


私はバランスを崩し、転んでしまった。

いっ、たぁ...。

なんでこんなことになるの?

もぉ、嫌だ...。

最悪だ...。

赤の他人とは1回きりの関係だからまだ見られてもいいけど、

櫻庭は...

天羽くんは...

ダメ。

あぁ、泣きたい気分。

落ち込んで立ち上がれずにいると、


「直禾ちゃん、大丈夫?」


目の前に手が差し伸べられた。

やはり、こういう時も王子は王子だ。

こんな不格好な私でさえ、助けてくれようとしてくれる。

今日ばかりは甘えても良いよね?


「大丈夫だよ。ありがとう」


そう言って手を伸ばした、

が、しかし。


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