i -アイ-
「蓮、お前は能天気なの?榊に恨みがあるやつなんて五万といるだろう。いいや、妬みの間違いか」
REIGNである蓮に対しては、藍は厳しい。
「特定することは難しい。まあそれに関しては俺に任せてよ。REIGNの皆さんは自分たちや仲間を守って?」
「お前に任せていいのか」
蓮のその言葉に俺ら3人が動きを止める。
そして、藍がふわっと笑った。
「そうだよ、蓮。そうやって疑ってかからなきゃダメだよ、何事も。……でも今回に限っては、REIGNの皆に複数のことは求められないのが現状でしょう?」
その後に言葉を続けず、蓮に考えさせる藍。
「……分かった」
蓮も優介も狙われ、iに助けられた。
「でも、教えて欲しい。今、俺らはどういう状況にあって、何に気をつければいい」
知識を求める。
蓮にとって、それは初めての事だった。
蓮は怒りやどこにもぶつけることの出来ない感情を、体現できることが喧嘩であり、相手のことなど知る必要がなかった。
「分かった。明日司さんもいる時に話そう。……相手は俺らが身を固める前に崩そうとしてる。呑気に時期を見ることは、許されないらしいからね」