i -アイ-
「あはは、否定しないんだ?」
「うるせえキモいことを平然と話すな。返す気失せるわ」
うん、いつも通りだ。
「俺は俺。滝谷の友達である俺はいつもの俺だから。学校外での俺はまた別物。そう考えてくれればいい。」
まあ、腑には落ちないだろうけど。
「おい」
声をかけられれば、その声だけで誰だか分かる。
「おはよう、蓮。さっきぶり〜」
頬杖をついてへらへらと笑うあたしと、無表情の蓮。
……しかも、無言?
「はぁ。蓮。」
ため息をつけば周りの空気が凍りつく。
また、あたしがなにかするんじゃないかってね。
あたしは両手を出して
「っ」
パンッと音を立てて合わせた。
「ごめんて!!!な!許して!この通り」
息を飲んでいた周りが混乱する。
もちろん、蓮も。
「は?意味分かんねえ」
「いやほら、昨日は俺の迫真の演技で騙しちゃったじゃん?仲直りしてなかったなって。」
お前バカにしてんのか、って顔であたしを睨む蓮。
「ね?許してよ。俺REIGNと直ぐに関わるつもりはなかった。でもさ、蓮に出会って仲良くなりたいなって思っちゃったんだよ。だから仲直りさせて?」
信じるなって言ったり、仲直りさせてって言ったり、混乱させてるよなぁ。