i -アイ-




「あはは、否定しないんだ?」



「うるせえキモいことを平然と話すな。返す気失せるわ」



うん、いつも通りだ。



「俺は俺。滝谷の友達である俺はいつもの俺だから。学校外での俺はまた別物。そう考えてくれればいい。」


まあ、腑には落ちないだろうけど。



「おい」


声をかけられれば、その声だけで誰だか分かる。


「おはよう、蓮。さっきぶり〜」



頬杖をついてへらへらと笑うあたしと、無表情の蓮。


……しかも、無言?



「はぁ。蓮。」


ため息をつけば周りの空気が凍りつく。

また、あたしがなにかするんじゃないかってね。


あたしは両手を出して



「っ」



パンッと音を立てて合わせた。



「ごめんて!!!な!許して!この通り」


息を飲んでいた周りが混乱する。
もちろん、蓮も。



「は?意味分かんねえ」



「いやほら、昨日は俺の迫真の演技で騙しちゃったじゃん?仲直りしてなかったなって。」


お前バカにしてんのか、って顔であたしを睨む蓮。


「ね?許してよ。俺REIGNと直ぐに関わるつもりはなかった。でもさ、蓮に出会って仲良くなりたいなって思っちゃったんだよ。だから仲直りさせて?」


信じるなって言ったり、仲直りさせてって言ったり、混乱させてるよなぁ。




< 109 / 457 >

この作品をシェア

pagetop