i -アイ-
俺に視線が集中するけど、そんな大した策ではないんだなぁ。
「三國は司さんと、暁さんは優介さんと行動するようにお願いしたいと思います。蓮は俺が見ます。2人で行動してもらえれば、簡単には潰されることはないでしょう。なんたって、REIGNですからね。」
少し挑発するように言ったのは
「我慢できねえ」
司さんの為だ。
ドンッとあたしの胸ぐらを掴む司さん。
「司」
優介さんが司さんを呼ぶ。
「お前は何者なの?それに、俺らを守る義理がお前にあるの?信用ならねえんだよ」
あたしは笑うことなく真剣に司さんを見る。
胸ぐらを掴む司さんの手を軽く掴む。
「俺が何者か、というのは i が何者かという話ですか?」
「違う。お前自身がだ」
i という存在には興味が無いのか。
「そうですか。明確に話すことは今は出来ません。ですが、これだけは伝えておきます。」
不安を煽るようで申し訳ない。
「俺がここに居てなぜREIGNを守ろうとしているのか、三國と暁さんが1番理解出来ないと思いますよ。三國がここに俺を呼んだのは、正直言って博打です」
司さんが三國と暁さんを見る。