i -アイ-
「俺が何者なのか知っている2人が1番理解出来ていないのに、司さんや優介さん、蓮に話すのは現実的じゃない。でも、俺にとってREIGNが潰れるのは利じゃない。
俺は、榊を1番恨むべき人間で、それでいて1番に守るべき人間なんです」
ニッと暁さんを見て笑う。
そんな不安そうな目で見ないでよ。
「俺が近づいてくるの、嫌だったでしょ?暁さん」
「……ああ。でも、俺はそばにいて欲しかった」
「あはは、昨日も言ってたね。早く暁さんのこと思い出すから。いい記憶なはずなんだけどなぁ」
親子で仲良かったら最高だね。
「司さん、あなたは三國と行動してください。冷静な人に見えて、司さんは蓮や暁さんと同じ熱しやすいタイプらしい。三國が嫌なら俺と行動してもらいますけど」
「……恨むべきってどういうことだ」
ああ、そこね。
「司さんに言うメリットは?」
「……お前は俺らに信用された方がいいんじゃないの?」
「あはは、じゃあ話せば信じるの?そんな簡単な話なの?頭の中お花畑かよ」
ガンッ
頬を殴られる。
「……殴ってもスッキリしないだろ?そういう事だよ。てめえはてめえの思うように俺が話しても信用なんかできねえんだ。だから、俺の行動を見て判断しろって俺は伝えたいの。そこまで言わねえと分かんねえガキは黙って言うこと聞いてろよ」