i -アイ-
「藍、大丈夫か」
暁さんがあたしを見る。
その言葉にもう一度自分の手を見る。
分からない。今REIGNを潰そうとしているのが榛人を殺した人なのかは。
けれど、そうじゃないとして、榊はいつも狙われているのか。
そう思ったら怖い。
榛人が誰に殺されたのか知っていて、榛人を大切に思ってくれていた亮さんが狙われているという恐怖。
御庄である、利人さんや漸さんは?
あたしは、あたし自身が危険であることはなんとも思わない。
周りが苦しむのはもう懲り懲りだ。
目をぎゅっと瞑り、静かに開く。
「ありがとう暁さん。今頭整理したから大丈夫。」
じゃ、と声をかけて蓮を連れて屋上を後にする。