i -アイ-
「……なんだ、それ」
蓮が、素直だ……それにもムズムズするし。
「お?照れてんの?お前照れてんの?」
形成が逆転してるぞ。
「は?照れてねえよ。ふざけたこと言ってっとお前のクレープ食うぞ」
「おう、食えよ。そんな甘いの得意じゃねえし」
「〜〜〜っ」
ムズムズするから、自分の頬を抓る。
そんで蓮のクレープを1口貰う。
うーまっ。
「お前さ、俺じゃ頼りないかもしれねえけど、1人で抱え込みすぎんなよ」
……どうしたんだ、こいつ。
「お前熱でもあんの?めちゃめちゃ喋るな」
「……るせーよ」
「もしかして、さっきの俺の話聞いて心配になった?」
暁さんに大丈夫かと聞かれた時、少し御庄藍が出た気がする。
蓮は、優しいからな。
「お前も俺と同い年なんだよなって、改めて思った。近く、感じたっつーか」
「こいつを近く感じる、か。脳みそに花でも咲いてんのか」
……今のはあたしの言葉じゃない。
振り返ろうとする蓮の頭を撫でる。
「そういじめるなって」
クレープを食べて、から笑いする。
「ふっ。佐伯蓮を目印にするなんていうから、どこにいるかと思えば」
あたしたちが座るベンチの後ろ側のベンチに、フードを被る男が座っている。