i -アイ-
肉塊となったそれが倒れるのを支える。
「おやすみゴリラ。」
全く。あたしがここで負けてたら、またフェードアウトさせようとするでしょ。
だから確実に勝ってあげたんだよ?
「蓮、見てた?自分よりでかい相手にはこうやって……」
蓮の方を見ると、みんな固まってる。
「え?あっ、大丈夫だよ!?怪我はさせてない!軽い脳震盪起こさせただけで」
あたしがここまですると思わなかったんだろう。
「いや、お前早すぎだろ動き」
司さんが珍しく褒めてくれる。
「回し蹴りえぐい」
蓮が膝裏を擦りながら、自分がされたかのように顔を歪める。
「三國、重いでしょ」
そう言って三國を運ぶのを手伝ってくれる優介さん。
重いって言っても、三國はスタイルいいんだけどね。
筋肉と身長があるから。
「でもさ、皆ここにいるってことは、喧嘩したことあるってことでしょ?」
「まあね、総当たり的な」
優介さんが答える。
「やっぱ暁さんがダントツか」
「三國さんもどちらかというと頭脳派だから、長期戦だと省エネしつつ様子見つつって感じなんだけど、暁さんは体力も腕力も飛び抜けてあるから、長期戦だと勝ち目ないんだよ」