i -アイ-



肉塊となったそれが倒れるのを支える。



「おやすみゴリラ。」


全く。あたしがここで負けてたら、またフェードアウトさせようとするでしょ。


だから確実に勝ってあげたんだよ?



「蓮、見てた?自分よりでかい相手にはこうやって……」



蓮の方を見ると、みんな固まってる。



「え?あっ、大丈夫だよ!?怪我はさせてない!軽い脳震盪起こさせただけで」



あたしがここまですると思わなかったんだろう。



「いや、お前早すぎだろ動き」


司さんが珍しく褒めてくれる。


「回し蹴りえぐい」


蓮が膝裏を擦りながら、自分がされたかのように顔を歪める。


「三國、重いでしょ」


そう言って三國を運ぶのを手伝ってくれる優介さん。


重いって言っても、三國はスタイルいいんだけどね。

筋肉と身長があるから。


「でもさ、皆ここにいるってことは、喧嘩したことあるってことでしょ?」


「まあね、総当たり的な」



優介さんが答える。



「やっぱ暁さんがダントツか」



「三國さんもどちらかというと頭脳派だから、長期戦だと省エネしつつ様子見つつって感じなんだけど、暁さんは体力も腕力も飛び抜けてあるから、長期戦だと勝ち目ないんだよ」



< 127 / 457 >

この作品をシェア

pagetop