i -アイ-
司さんの説明でよーく分かった。
「ゴリラよりゴリラってことね」
「貶してんだろ」
いいじゃん、司さんに褒められたんだから。
「暁みたいなやつ倒すにはどうするんだ?」
寝させておいたはずの三國がムクリと起き上がる。
「起きるの早」
「運ぶの雑すぎて起きたわ」
「それは否めない」
暁さんみたいな人を倒す、か。
「人って急所が沢山あるから、それを全クリすれば人って動けなくなるんだよ。俺だったらそうするね」
「藍でも、暁はそんぐらいしないと無理そうか」
「三國のレベルが分かれば、自ずと感じるよ。俺と暁さんがやるのはお互いにとって地獄ってことがね」
ね、暁さん。
そう言えば、暁さんは、ああと返事をした。
「三國に様子を見る隙を与えないで動く、全部の攻撃を避ける。俺の攻撃が藍に入って戦意喪失させるか、入る前に俺が動けなくなるか。それのどっちかだろ」
「うん。俺は腕力がないからね。1発じゃ倒せないし、ウエイトがないから攻撃もろに食らったらアウトだよ。だから、スピードと正確さが試される。素早く立ち回って、1発1発に全身使わなきゃ、延長戦に持ち込まれるだろうね」