i -アイ-




司さんの説明でよーく分かった。



「ゴリラよりゴリラってことね」



「貶してんだろ」



いいじゃん、司さんに褒められたんだから。



「暁みたいなやつ倒すにはどうするんだ?」


寝させておいたはずの三國がムクリと起き上がる。


「起きるの早」


「運ぶの雑すぎて起きたわ」


「それは否めない」



暁さんみたいな人を倒す、か。



「人って急所が沢山あるから、それを全クリすれば人って動けなくなるんだよ。俺だったらそうするね」



「藍でも、暁はそんぐらいしないと無理そうか」



「三國のレベルが分かれば、自ずと感じるよ。俺と暁さんがやるのはお互いにとって地獄ってことがね」



ね、暁さん。


そう言えば、暁さんは、ああと返事をした。



「三國に様子を見る隙を与えないで動く、全部の攻撃を避ける。俺の攻撃が藍に入って戦意喪失させるか、入る前に俺が動けなくなるか。それのどっちかだろ」



「うん。俺は腕力がないからね。1発じゃ倒せないし、ウエイトがないから攻撃もろに食らったらアウトだよ。だから、スピードと正確さが試される。素早く立ち回って、1発1発に全身使わなきゃ、延長戦に持ち込まれるだろうね」




< 128 / 457 >

この作品をシェア

pagetop