i -アイ-





はぁ、と呆れたように答える利人さん。



「馬鹿ゆーな……馬鹿じゃないし」



『ま、お前の声が聞きたかったから電話した。お前もいつでも連絡しろよ。』



「俺からはしないって。会いにも行かない。全部終わるまで、甘えたくない。」



『はいはい。じゃあ俺から連絡入れる。登録はすんなよ?番号だけ覚えとけ。あと履歴も消せ』



「ん、分かった」



『じゃ、またな』



「ん、また」



通話を切って、蓮を見上げる。



「大丈夫か」


蓮はあたしの変化に敏感になりつつある。


「ああ〜、蓮の純粋さは毒が抜かれるな〜」


蓮の頭をくしゃくしゃと撫で回す。


4人が座る場所に戻り、



「長電話、失礼しました」


「誰」



司さんが聞いてくる。



「んー…」



「女?」



「え?」



蓮の言葉に思わず反応する。



「へえ、お前女いたの?」



とんでもない誤解が生まれている。


「女じゃないですし、まずいません」


「お前の雰囲気が、すげえ甘かった気がする」



……くそ恥ずかしいこと言うな、蓮。


耳に血が集まるのを感じる。



「お前、耳真っ赤だぞ」



「嘘つくの下手だなぁ」



司さんと蓮の息のあった攻撃が始まる。





< 132 / 457 >

この作品をシェア

pagetop