i -アイ-
「ちょっと、待ってください。耳が赤いのは、照れくさいだけで。電話の相手は大切な人ですけど、彼女とかではないです。恋愛感情じゃなくて家族愛的なものなんです。」
できるだけ早口にならないように、冷静に話す。
「ふーん」
つまらなそうに返事をする司さん。
そしてやっと気付いた。
機嫌が悪くなっているでかい2人に。
「話、戻すけど」
その2人は無視!
多分誰だか分かってての態度だ。
「会場内は、親かメンバーと一緒に行動してください。会場外はいつもの体制で。俺は一緒に居られるわけじゃないので、三國と司さんは蓮と行動してください。」
「……お前、どうやって中入るんだ?関係者以外入れねえだろ」
あれ、そこはスルーされると思ったな。
さすが純粋代表。
「内緒。俺を誰だと思ってるの」
ニッと笑えば、胡散臭そうな顔をする蓮と司さん。
「あと、俺の行動とその場で起こることには干渉しないこと。きっと、この学校の生徒も何人か来るだろうし、俺を見つけてよく思わない人もいると思う。会場内でいつも通り皆さんは榊の人間らしく振る舞っていてください。」
……三國、聞いてんの?
「三國、4人のこと頼んだよ?」
No.2と言えど、司令塔なんだから。
「ん」
……怒っていいものか?