i -アイ-
強くそう言った蓮を、無表情で見つめる三國と暁。
「なあ、三國さん。あいつに似てる人って誰なんだ?」
……久遠に、似てる人間?
急に、どういうことだ?
「これは聞いていい事なのかは分からない。けど、俺の家に来た時、使用人があいつを見て泣いたんだ」
人を見て、泣く。
大概そんなことは普通起こらないことで。
「家?」
俺や優介の脳内での疑問と、三國と暁の脳内での疑問は別らしい。
「お前今、家っつったな?」
……やばい、三國が。
そんな三國を腕で止める暁。
けど、暁も、
「どういうことだ、蓮」
冷たい目をしている。
「おい、蓮、離れろ」
蓮もどういうことか分からず、俺の言う通りに立ち上がり後ずさる。
「んーと?どういうことか理解できない俺らをさ、置いてきぼりにしないでくれない?TOP2のおふたり」
「そうだよ?暁、三國。」
俺と優介で宥める。
「あ?蓮。なんで家に行く流れになってんだ?」
三國が完全にキレている。
やばい、さすがにやばい。
「三國」
三國を制する暁も、なんとか理性を保っている状態。
檻からでた猛獣かよ、こいつら。