i -アイ-
その時、ガチャッと扉が開き、久遠が戻ってきた。
「え?どういう状況?」
三國がぶちギレていて、それを何とか暴走せずに制している暁。
ビビっている蓮と、それを庇う俺と、間に入る優介。
立ち上がり机を蹴飛ばす三國と、それを制しもせずに俺らに迫ってくる暁。
「おいどうしっ」
そいつらは、俺らの横を通り過ぎ、
ズダンッと音を立てて、壁に拳をめり込ませる三國と、壁を蹴る暁。
その腕と脚に挟まれるのは、
「あは、どういう状況って聞いてんだけど?」
楽しそうに笑う久遠。
「あ?てめえ、何、蓮の家行ってんの?」
「ああ、そのこと?それで蓮が殺されそうになってたのね」
ケラケラと笑う久遠の顎をガッと掴む三國。
「何笑ってんの?」
あの状態の2人相手に、顔色を変えない久遠。
「ねえ、痛いんだけど。離して」
冷たい目で三國を見上げる。
「あ?答えろよ。」
「家立派だね〜って言ったら見ていくか?って言ってくれたんだよ」
「お前馬鹿か」
珍しく暁が久遠を煽る。
「あはは、言っとくけど、馬鹿は2人だよ?」
俺ら3人は背中に冷や汗をかいた。
あの状態の2人相手に、煽るか、普通。