i -アイ-





「……榛人、お前は地獄で笑ってるか?





俺に殺されて」


残りわずか燃えきらない写真は灰皿に落とす。



「感傷に浸ってるとこ悪いが、邪魔しますよ」



フードを被る男が入口から入ってくる。



そして、俺の机にボトッと封筒を落とす。




「どうだ、逃亡生活は」



「はあ、まあ、楽しくやらせてもらってますよ、碧さん」



俺を下の名前で呼ぶ人間は数少ない。

封筒の中身を見れば、



「 " i " か」



「ええ。" i " が久遠藍人です。それをREIGNが知り、勢力拡大の為にスカウトしたものと見られます。」



二重で調べさせてるのは、もちろん理由がある。



「本名も年齢も明かしていなかった男がREIGNに易々と正体を明かしたのか」



何が目的で。


まあ、高校生の子供だったら親しくなって明かすのも考えられないわけじゃない。

けれど



「 " i " が学生〈ガキ〉だとは驚きですよね」



その通りだ。

確かにそんな歳を重ねた人間だとも思っていない。が、



「 " i " は見た目まで榛人そっくりか」



これまでの " i "の動きは、頭がキレなければ出来ない事ばかりだ。




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