i -アイ-
「開幕戦は確実に獲って勢いをつける、か」
そう言って笑えば
「……お前」
蓮があたしを見て怪訝な顔をする。
「蓮、段々頭が使えるようになってきたね?そうだよ、幹城京馬はただの歩兵じゃない。ここまで来てだいたい掴めてきた。幹城は、大分濃く、主犯の息がかかっていると思う」
「……っ!ならお前」
「あはは、大丈夫。信頼してあいつと関わっていたわけじゃない。ただ、あいつは仕事が出来るから使ってみた。そして、あいつの言う通りに事は進んだ。……あいつらは俺がそれで信用するか、否か、見定めてる」
「話を渡るようだが、内容が掴めない」
三國が話を渡る。
「この間、幹城に依頼をしたんだ。たまたま結果を受け取る時に蓮も居てね」
「どういうことだ」
「その時、幹城は佐瀬組に名があった。だから、他の就職先を促したんだよ。優秀なんだからってね。それを受けた幹城は少しの間様子を見て出ると言った。だから、その間、俺の依頼を受けることになってたんだよ。蓮には話したけど、ハイリスクハイリターンの世界だからね。自分で尻拭いできるようにはしてある。だから、心配無用だよ」
そう言って笑えば
「お前、いつ寝てるんだ」
「え?」
暁が変なことを聞く。
「あはは、だから心配無用だって!ちゃんと頭使えるように睡眠は取ってるからね。」