i -アイ-
資料をまとめて机に置き、寝室へ歩く。
ポスンッとベッドに横になる。
思ったよりも早く、忙しくなった。
でも、それでいい。
早く榛人が殺された真相を知れる。
どれだけ危険でも、あたしはこの道を選んだから。
ヴーヴー
スマホが震える。
画面を見ると
『蓮』
「?」
スマホを耳に付けると
『起きてたか』
「ああ、起きてたけど。どうした?何かあった?」
『……何かあったわけじゃねえけど』
……?じゃあなんの用なんだ?
『無理してねえか……?大丈夫か?』
……ふっ、こいつは。
「心配無用っていったよな?大丈夫だ」
いつもより優しくいえば、無言が続く。
「皆が無事じゃない方が無理。」
『……俺も。だから、お前も俺よりは強いけど、1人で抱えようとするなよ』
……優しい子だ。
素直で純粋で真っ白で。
あたしの心を感じてくれてる。
正直なところ、休みたい。
けど、立ち止まる時間なんてないから。
「ありがとう、蓮。俺は俺の選んだ道を全うしたいんだ。だから、応援して?」
悲しみを知って強くなった。
けど、悲しみを知って怖くなった。
恐怖と強さは隣り合わせだ。
だから、蓮。
「REIGNにお前がいてくれて良かった」