i -アイ-
「すみません、三國さん」
「あ?なんで謝んだよ」
謝る蓮に、逆に機嫌が悪くなる三國。
「三國……?」
ニコッと笑う久遠だけど、オーラはどす黒い。
すると、
「藍ちゃん」
先生が、久遠に声をかける。
不機嫌2人の会話に割って入る先生の行動に驚く。
久遠はくるりと振り返り、先生を見ると、走って近づいて行った。
「槙野先生、こんにちは」
会話はいまいち聞こえないが、蓮がそちらを気にしながら俺らに近寄ってきた。
「知り合いなのかな?あの2人」
「いや、知り合いの知り合いってとこだろ」
三國は至って冷静だ。
「まあ、その事も話す。」
少し経ってから、久遠が戻ってきた。
「ごめんごめん。で?何の話?」
真っ直ぐに暁を見て聞く久遠。
「ちょっと着いてこい」
久遠は軽く首を傾げながらも、暁に着いていく。その2人に俺らも。
屋上を後にしてから
「皆に伝えておくけど、槙野先生ともし話す事があったら、その内容教えてね」
意味深にそう呟く久遠。
なんだ?
「槙野先生は、榛人の高校時代の友達なんだよ。」
……近しい人間ってREIGNだけじゃねえのかよ。