i -アイ-




暁の後ろを歩けば、大体行先が分かった。


途中色んな生徒に見られながら歩くのは慣れた。

そういや、少し前まで普通の秀才枠の1生徒としか思ってなかったんだよな、久遠を。


容姿は整っているから、目立たないわけじゃなかったけど、上手く隠れていた。


それを見つけたのが蓮。



蓮はまだ幼さが残るが、暁が目を付けただけあって、才能があるんだろうな。

俺は蓮とは小さい頃から、REIGNの中でも特にずっと一緒にいた。


中学の時は、力の行く先がなくて、そして自分を見失って暴れ回ってはいたが、今じゃ昔と同じ、素直で真っ白。



それが、久遠の心を掴むんだろうな。

俺より懐いてんじゃねえか?


「わ、こんな所あるんだね」


久遠の声に、俺も前を向く。


そこは体育館のステージ裏。

折りたたみ式の階段を出して上に上がっていく。

2つの部屋があって、1つは物置に使われている場所だけどもう1つの部屋は代々No.1の名を持つものに鍵が引き継がれていて、同じメンバーでもNo.1が居ないと、この部屋に入ることは許されない。



扉を開けば、壁一面に、白の長ランが並んでいる。



代々No.1だった人たちの名前が背中側に刺繍で刻まれている。



「No.1が卒業する時に作るんだよ」



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