i -アイ-
藍side
写真を見て、血の気が引いたのは、多分あたしだけ。
まさか、この人が亮さんと同じぐらい榛人と近い人間だったなんて。
溜まり場に行き、溜まり場にあるパソコンではなく、あたしのノートパソコンを開く。
冷静に、慎重に。
今までより、危ない道だ。
『 名雲 碧 』
あたしが調べる中で、三國が気が付く。
「……は?」
迅速に。
今調べたいことを出来るだけ時間をかけずに調べて、時間をかけずに痕跡を消す。
そしてパソコンを閉じた時、大体3時間が経過していた。
それぐらいハッキングするのが難しい人物。
「藍……名雲碧(なぐもあおい)って」
三國は静かにあたしの心を荒立てないように聞く。
「八澄会での事実上のトップ、鬼龍組の若頭" 名雲碧 "」
鬼龍組と話せば五人とも合点がいったようで、目を見開く。
「名雲碧は黎鳳に2年所属していて、3年で中退。学年は、……榛人、亮さん、慎さんと同じ」
ごめん。
あたしも、異様に自分の頭が冷えきっている感覚がする。
「鬼龍組組長の鬼龍灯志は、現在では8割型の役目を名雲碧に一任してる。つまり、もし名雲碧が御庄榛人を殺し、今俺らを狙っている人物だとしたら、八澄会の事実上のトップと戦うことになる」