i -アイ-




_____



あちらがどう出てくるかによって、こちらの行動も決めたい。


慎重に見ていると知られたら、久遠藍人がREIGNを大切にしていることが分かる。


だから、この人には " i " らしく振舞った方がいいかもしれない。


コンコン


扉をノックすると、その教室の生徒が皆こちらを見る。


「三國」


ここは三國のクラス。

昼休みのチャイムが鳴って数秒でノックをしたから、全員まだ席に着いてる。



あたしは仮病使って早めに出てきた。


その理由は



「どうした」


「ちょっと」



三國にだけ話そうと思っているからだ。


騒がしい時に来たら、他のREIGNのメンツにも気付かれる。



人気のない空き教室。



「お前、大丈夫か」


あたしの異様な雰囲気に、心配そうな声を出す三國。



「大丈夫じゃない」



「は……?」


あたしが振り返れば、三國は凄い困った顔をしていた。



「ふはっ、なんだその顔」


「……あぁ?てめえ。こっちは」


「ごめんごめん。俺が悪いね」


あたしは椅子に座り、その隣に座るように三國を促す。


そして、スマホを見せる。


「……お前これ」


「バイト先に来て、呼び出された。堂々としすぎて驚いたよ。」



その時のことを全て話した。




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