i -アイ-
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教室では寝ていることが多かった。
つまらない。
楽しい、そんな感情をもったのはいつが最後だったろう。
たまたま、偶然。
その日、目を覚まして教室に居たのが、そいつだった。
自分の机の上に胡座をかいて、夕日が差し込む窓の外を眺めている男。
綺麗だった。
とても、綺麗だった。
クラスメイト。
父親がでかい企業の社長かなんかで、そいつ自身も学年トップの成績を持ち、REIGNとかいうヒエラルキーのトップに君臨するグループに所属していて、更には容姿端麗、コミュ力が高いと来た。
まあ、人生、そんな完璧なやつに出会うこともなかなかないだろうけど、俺には関係ないから。
そんなふうに思っていたクラスメイト。
でも何故か、その日、夕日に照らされたそいつは、とても綺麗で魅入ってしまった。
それが、俺の人生を180度変えたと言っても過言じゃない。
「あ、起きた?」
俺に気がついて、横目で見てニッと軽く口角を上げた。
いつものヘラヘラしてる感じじゃなくて、何故か心臓が変な音を立てた。
見ていたかった、綺麗なそいつを。
でも、心臓が痛くて、逆の方向に頭を向けてまた寝直した。