i -アイ-
藍side
ヴヴッ
枕元のスマホが震え、目を覚ます。
あれ、今日は土曜だよな。
学校じゃないからアラームは付けてない。
スマホを薄目で見れば
『名雲碧』
ゆっくり覚醒した。
名雲碧からのショートメール。
『この間はいきなり悪かったね。
今回もいきなりだが、今日は暇かい?
駅前のshunというカフェに11時に
気が向いたら来て欲しい』
この間、友人になることを1度断った。
だから今は別にワンクッション置くことは必要ないだろう。
『暇ですが、カフェということは私服でよろしいんでしょうか?』
あくまで立場は出会った時と同じ。
少しの間ゲームをしよう。
どこまであなたを知らない人間を演じられるか。
私服でいいと連絡が来た。
シャワーを浴びて、着替えをする。
白Tにベージュのニットベスト。
白のバルーンパンツにベージュのスニーカー。
髪はマッシュでスパイラルっぽくセットする。
ピアスはいつものシルバーのリングピアス。
シルバーの少し太めのチェーンブレスレット。
一応シルバーのチェーンネックレスもするけど、中に入れて若干見えるくらいに。
財布とスマホだけポケットにつっこみ部屋を出る。