i -アイ-
佐伯蓮side
夜中にいきなり藍人から連絡が来た。
寝ていた俺は一気に頭が冴えた。
『慎さんに会って話したい』
藍人は、またどこかで動いている。
俺らの見えていないところで。
見たくても、藍人が i として活動していたとしたら、見つけることはほぼ不可能。
……今回は少し煮詰まったのか、それとも、俺の親父と話すことが計画の内に入っていたのか。
親父に、藍人が親父に会いたいらしいと話せば、近々に他の予定をずらしてまで予定を空けた親父。
深くは聞かない。聞いたとして俺が理解できるのかも分からないが、それ以前に藍人の様子が少し違う。
「寝てもいい?」
隙を作るようなことを俺に聞く。
疲れているのが、俺でも分かる。
見た目で分かると言うより、柔らかい口調で分かる。
俺がベッドを使えと許可すれば、今までで1番気を許した笑顔を見せた。
その笑顔は、俺にとってはすごく苦しかった。
藍人の存在は、出会った当初も危ういと思っていたが、今では違う意味で危うい。
数分で寝息を立て始めた藍人。
ベッドに頬杖を着いて、少し眺める。
透き通るほど白い肌に、髪色と同じ色のまつ毛。
髪を染めていると思っていたけど、地毛なんだな。
ハーフかなんかか?