i -アイ-
橘三國side
1番規模の大きい花火大会の夜、俺含めREIGNのメンバーはとあるパーティーに出席していた。
そのパーティーは21時頃に終わり、スマホを確認すれば、
『久遠藍人が駅前で倒れて』
『なんかやばそうな奴らに連れてかれて言った』
『一緒にいた女が泣き崩れてて』
黎鳳の生徒たちからの連絡だった。
俺ら全員が顔を合わせた。
藍人は連絡が取れず、至る所を探した。
一緒にいた女、ってのはきっと椎名茉結。
……パーティーを優先させずにそっちを選んだ時から違和感はあったが。
音信不通のまま夜が明け、俺らは眠らずに一旦溜まり場に戻った。
そして、昼過ぎに、
『俺は無事だよ。連絡遅れてごめん。皆にもそう伝えて。1つ仕事が終わったらまた連絡する』
そう短い文章が送られてきた。
通話が来るまでは気が気じゃないが、とりあえず、全員にそれを話した。
そして、通話が来た時、
『始まるよ』
そう告げられた。
『皆、もしかして集まってる?』
そう申し訳なさそうに聞く藍。
「ああ、溜まり場に」
『そうか、皆心配してくれたんだね。』
「倒れたって」
『うん、それも皆に説明したいから、これから行ってもいい?』
「ああ。でも皆寝てねえから」