i -アイ-



碧さんが捨てたイベントだし、まあ適当に数打ちゃ当たるぐらいの感覚だったんだろうけど。



「物の見事にお迎えが来た、そんな感じです」



「その後は」



暁がほぼあたしを睨んでる。



「え?聞く?」


「どうやって治めたんだよ」


どうやって、って。


助け舟に、と蓮を見るけど顔を赤くすることなく、悲しそうな顔をしてる。



そんな、顔されても。



「大丈夫だよ。俺、薬に詳しいんだよ?」


媚薬は詳しくないけどね。

調べる必要ないと思ってたし?


……いや、今顔赤くする?蓮。



「知りたい?蓮」


「ふざけんな」


顔は赤くしてるけど、怒ってはいるらしい。


「ごめん。心配かけたよね」



そのタイミングで、優介さんが仕事を終えて来た。



「三國にも話したけど、お遊びはここまで、ってことだと思う。だから、ここから始まる。」



疑問点は増えていくばかりだ。


幹城はあたしを御庄藍だと分かって、なぜ始末しなかったのか。

始末される気はさらさらないけど、女だからという理由だけであそこまで態度を変えるか?


佐瀬組だからと丸腰で蓮の元へ来ていたことに疑問を持たなかったが、碧さんの右腕なら持っていても不思議じゃない。

蓮を完全にやる気はなかった?

脅し程度、か。




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