i -アイ-
「本当の意味でこれからは、自分たちを守るために戦って欲しい。今回、俺を心配して探し回ってくれたのはありがたいけど、次からは探すな」
力を込めて、命令する。
目を瞑って、目を開いた時、暁を真っ直ぐに見つめる。
「皆を守って。」
目に力を込める暁。
「俺を探す時、ばらばらで探したと思うけど、それがもし相手の思惑だったら全員やられてた。どんな時でも固まって動いて欲しい。探す相手が俺なら、探さず待っていて欲しい」
三國に目線を移す。
分かるよね?
「これが、俺から皆へのお願い」
ここから、少しあたしも整理したい。
碧さんがどんな人であっても、榛人を殺したのはほぼ確定。
だとしたら、碧さんは大切な人でも殺すことが出来るということ。
「険しい道に違いはない。何かあったら俺に連絡して。こんなこと、俺が言うのもなんだけど、鍵を握ってるのは俺だから。そのためにこれまで動いてきた。」
殺させない。
絶対に。
「じゃ、今日は俺が話したいことこれで終わり。」
あたしは席を立って部屋を出ていこうとする。
「帰るのか」
蓮がそう呟く。
「あー、俺もまだ考えること山積みでね。もう少し考えて、作戦練らなきゃ。全部受け身じゃ身が持たないしね」