i -アイ-
「それ、俺らも一緒には考えらんねえのか」
1人で背負おうとするところ。
幹城にもそう言われたな。
皆、混乱してんだろうな。
端的に話されて、頭のいい人たちだから逆に。
「皆がやらなきゃいけないことと、俺がやらなきゃいけないことは似ているようで似ていないから。」
ほら、また混乱させることしか言えてない。
「頼りないとかじゃないことだけはわかって欲しい。ただ、俺が頼り慣れてないって言うか、ずっと1人でどこにも属さないで来たしさ。1回自分で考えてから皆に提示したいんだ。」
「……そっか」
「藍は不器用だもんな」
「うるさいわ」
三國が柔らかく言ってくれる。
視聴覚室を後にして、学校を出る。
あたしを追いかける足音がして、振り返れば
「藍人くん!!」
椎名茉結。
「椎名さん」
「ねえ、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。見ての通り」
「……っ」
罪悪感に飲み込まれそう、そんな感じ。
「いいんだよ、全部知ってたから」
悪くないとは言わないけど、本当に悪いのはあのおじさん達だからね。