i -アイ-
小中高一貫なだけあって、滝谷にも友達は沢山いるらしい。
「バスケしようぜ。つってもあと一人必要なんだけど」
「おー。藍人、今日は」
入学して数週間が経ったわけなんだけど、昼休みにこうして教室にいるのが久々なあたし。
「今日は何もない。身長低いけどいいー?」
「お!モテ男の久遠くんじゃねえか!170後半ありゃ低いって言わねえよ〜」
モテ男くん、というのは、昼休みや放課後はありがたいことに告白の呼び出しばかりだった。
一日に3.4人に告白されて、色んなところに呼び出され、ありがたいことではあるけど、落ち着いた時間がなかった。
そのおかげでREIGNとの関わりもなく。
佐伯とは時々話すけど、ほとんどあいつは教室にいない。溜まり場のような場所があるんだろう。
体育館に向かい、適当にチーム分けをする。
とはいえ、男相手に上手くできるかなあ。
「藍人!」
同じチームになった滝谷からパスを貰い、男よりはある柔軟性を活かしてドリブルをし、シュートに見せかけて滝谷にパス、そしてシュート。
「うわずりぃ!お前ら息合ってんな」
「あははっ、滝谷上手くてやりやすいわ」
普通に楽しい。
とは言いつつ、ギャラリーの女の子増えてきたな。