i -アイ-
「喉の奥から虫が這うようだ……今朝食ったもんが全部戻ってきそうだよ」
赤髪の殺気が部屋に充満する。
その気に圧されて、周りの俺らも吐き気を催すほどの空気。
「へえ、そりゃあ良かった」
眉を八の字にして、薄ら笑いを浮かべる藍人。
赤髪を煽ってる。
…… i も普通の人間じゃない。
「やれ」
俺たちに向かってきていた人間が全員 i に襲いかかる。
俺らもそれを追って襲いかかる奴らを潰してく。
でも、i はしなるように向かってきた人間を数発で再起不能にする。
そして、俺の腕をグンッと引っ張って俺の顔すれすれに拳を奮って
「あ、ごめん、蓮か」
目をぱちぱちと瞬かせ、藍人に戻った。
「お、おう」
「頭、どうなってんだよ」
司さんが藍人の頭を見る。
「ああ、激しい運動は傷口開くからダメって言われたんですけど」
「お前は本当に馬鹿だ」
呆れたようにため息を着く暁さん。
「これ終わったら皆病院付き合って」
「どうやって終わらせるの?」
優しく藍人に聞く優介さん。
「ちょっと待っててくださいね」
俺たちより前に進み、赤髪の座るソファの前に片膝をつく藍人。
ぎりぎり間合いの外。