i -アイ-
「槙野先生はなんて指示を受けたの?」
「久遠藍人を学校から運び出して、病院から出れないようにしろってね。殺せと言われたら殺せってね」
「はは、物騒だな」
「ね。あの人は君のことを知らないからね」
あの人。
「でもまあ、俺は喧嘩もできないし?取り逃しても変ではない。まあ、現場に早く着きすぎだから、他に協力者がいるって思ったかもしれないけどさ。」
槙野先生は
「結果的に碧の思惑通りだし、文句ないでしょ」
碧さん側の人。
碧さんの思惑、それは、
「自分の友達の息子、殺すような頭イカれた奴じゃないよ、碧は」
今回の計画の阻止。
笑っちゃうよな。
REIGNを本気で潰す気がないなんて。
でも、REIGNを本気で潰そうとしてる人間がいるのも本当で。
碧さんは、言うなれば、
スパイ。
碧さんが敵じゃないのなら、REIGNの皆は危険すぎる。
敵が分からないのなら降り出し。
REIGNの皆を巻き込むのは得策じゃないんだ。
「そろそろ、終焉だ。」
夕日が沈む。
「これを君に。……俺の仕事はこれで終わりだよ」
渡されたものは
『 藍へ 』
榛人からの、手紙。