i -アイ-
スリットの部分をガン見しやがった。
「ねえ椿さぁん。滝谷くんが視姦します」
「おい!誤解招くようなこと言うな!第1お前男だろ!」
焦る滝谷を見て大笑いするあたし。
「うるせえぞ」
あ、そうだった。
椿さん、蓮のメイク担当だった。
金髪の少しカーブを描いたロングのウィッグに、黒のリボンのカチューシャにアリスの衣装に白ソックス、黒のパンプス。
「……蓮」
「あ?」
「すげえ可愛いな」
「ぶち殺すぞ」
「あはは。優介さんが生徒会長だと、いいもん見れるな」
その言葉に、蓮があたしを見る。
ニッと笑って滝谷の元へ戻る。
「滝谷!可愛いぞ!」
滝谷はシンプルにうちの女子の制服。
脚も黒のタイツを履いてるから骨格が分かりづらくていい感じ。
「でも顔凛々しいな」
蓮は綺麗系だが、滝谷は男感強めなんだなと気づいた。
「じゃあ、蓮様と藍人くんはこのパネルを持って宣伝してきてください」
椿さんがうちのクラスの宣伝パネルを俺たちに押し付ける。
「は、え?これで歩いて来いって?」
「ええ、何か問題でも」
俺らがREIGNだったとか、そういうの、どうでも良くなった?
「これはクラスでの戦いです。戦力を使わずどうするの?」
ド正論。