i -アイ-
蓮大丈夫かなー。
考え事をしていると、ドンッと肩がぶつかった。
「あっ、すみま……せん」
ぶつかったのは、旭。
旭はあたしを上から下まで見て、顔を真っ赤にする。
「へ、あっ、すんません、怪我ないっすか」
ん?あたしだって気づいてない?
「大丈夫」
「あ、良かったっす。……あの、名前とか、教えて貰っても……」
残念だったな。
お前の恋は始まらない。
「久遠藍人です」
ピースをして宣伝パネルを見せれば、表情が消える旭。
「は」
「可愛いか。そんなに可愛いか。」
旭の肩をポンポンと叩けば、
「さよなら、俺の恋」
そう言って膝まづいた。
「儚く散ったな」
肩をポンポンと叩く。
「お前ら何やってんだ」
戻ってきた蓮。
「旭の失恋を慰めてる」
「振られたのか」
「いや……女だと思ったら男だった」
「は?」
その話を滝谷にしたら死ぬほど笑ってた。
学園祭当日。
午前中は滝谷と蓮と三人で回る。
とはいえ、蓮は行きたいところがお化け屋敷オンリー。まあ、お化け屋敷もクオリティが高すぎて全部面白いんだけど。