i -アイ-
三國の言葉に周りがザワつく。
というか、あたしを抱きしめた時点で叫び声が聞こえた。
……あ、男同士だもんね。
そこか。
「三國もREIGN?ってグループにいるんだ?」
そこは知らない悌だから。よろしく。
「……おう。No.2ですかね」
なんで敬語?
「そうなんだ。三國が居れば尚更心強いね」
三國は高3だし、REIGNのNo.2だし、そんな人と仲良いあたしはなかなかいい立場にいることになる。
「おー?可愛いこと言うな?」
「あはは、俺の事可愛いって言うの、三國ぐらいだよ?三國の小さい頃の方が可愛かったと思うけど」
「うるせー、昔の俺のことは忘れろ」
「やだよ。……それで?佐伯、俺になんか用?」
すぐに佐伯の代わりに何か言おうとする三國の口を塞ぐ。
「三國には聞いてない」
「俺をそんな扱いするやつもお前ぐらいだぞ」
「嫌?」
180後半あるだろう三國を上目遣いで見上げると、真顔になる三國。
「嫌じゃないのね、了解」
三國の手が肩から腰に移ったけど、今は放置で。
「三國、帰るぞ」
そう言葉を発したのは、
榊暁。
この場で話をするつもりはないらしい。
「蓮、お前ももう少し考えろ」