i -アイ-
「よーし、じゃあ帰るかー。悪いな藍。とその友達くんたち。邪魔して」
三國があたしから離れて、滝谷や旭に悪そうな顔をする。
「いっ、いえ!」
旭がかろうじて反応する。
それを見て暁は背中を向けて歩き出す。
桜庭優介と碓氷司は、腑に落ちない顔をしつつも、暁について行く。
三國は佐伯の肩をポンと触り、歩いていく。
佐伯も着いていこうとするから、
「佐伯!」
声をかけた。
少し驚いて振り返る佐伯に笑って見せた。
「また後でな!」
お前があたしを不審に思う気持ちは当たってるよ。でも、まだ言うタイミングじゃないんだ。
「お前の怖いもの知らずは、そういう事だったのか」
ぼそりと滝谷が呟く。
「え?」
「三國先輩って、REIGNの頭脳(ブレーン)って呼ばれてて、キレると1番怖いって有名なんだぞ」
あー。榛人タイプね。
いつもは明るいし、温厚だけどってやつね。
「キレさせなければいいってことでしょ。」
「それにしちゃ、お前の言動とかにヒヤヒヤしたけど?」
「三國はあれぐらいで怒る人じゃない。ぶん殴っても多分怒らないよ」
大切なものを傷つけたら、とっても怖いだろうけどね。