i -アイ-
「きゃぁぁあああ」
廊下が騒がしくなり、蓮とあたしで目を合わせる。
「男性4名様、ご、ご来店です!!!」
恐る恐る目を向ければ
「よぉ」
タイミングが悪い。
今は男子2人と話していた。
その男子2人が震えてる。
「三國、睨むな」
あたしのせいで、あなたのこの学園でのキャラが変わっちゃってる気がするよ。
当たり前のようにあたしの両脇に陣取る、三國と暁。
蓮の両脇は司さんと優介さん。
何故わざわざ全員で、と聞きたいところだが、あたしではなく蓮目的に来ていたとしたらあたしが話すのは違う。
あたしが話さないと、こんなに沈黙が流れるのか。
周りも息を飲んでこちらを眺めてる。
あたしはため息をついて
「暁と司さん、抜けてきちゃって大丈夫だったんですか?」
「ああ」
「2-F目的のお客さんたちが外まで列作っちゃってね。俺が二人を連れてきたの」
優介さんも大変だな。
朝夕は冷え込むけど、まだ昼間は気温が高い。
外に並ぶのは危険だ。
「優介さん、似合ってますね執事」
「そう?ありがとう」
……両脇、くっつき過ぎなんじゃないか。
窮屈なんだが。肩も当たっていれば、膝も当たってる。何ならあたし自身の両膝も閉まるくらい。
「三國は?三國のクラス何やってるの?」