i -アイ-
「大丈夫。三國はREIGNの皆が大好きだよ。」
噴水の淵に座る三國を眺めて、ふっとあたしは笑う。
「……お前」
「あ、司さん!どれにしますー?」
あたしたちの番が来て、司さんの声をわたった。
注文をして、出てくるまでの間、また司さんが話す。
「お前は、三國と暁のこと、どう思ってんの?」
……それは恋バナというものだろうか。
「さあ」
敢えて答えない。
申し訳ないけど、それは全て終わった時に本人に話すから。
「じゃあ、蓮のことは」
蓮?
ああ、そうか。司さんと蓮は幼なじみで、蓮の面倒をずっと見てきたのは司さんなんだもんな。
近くにあたしがいればその分心配だろう。
「友達です。この前、ある人に言われたんです。お前は純粋で真っ白だって。俺がいつも蓮に言う言葉と一緒だったんです。……きっと、俺は羨ましいんです。蓮のことが。」
「羨ましい?」
「……純粋で真っ白で居られる環境に居て、愛されて、それでいて人の心を動かす。それって凄いことじゃないですか。俺は弱いから、ずっとその部分を隠すことに必死だった。素の自分で戦うことは、ダメージを諸に喰らうことになる。それが怖かったから」