i -アイ-




「まあでも仕立ててもらった方が確実ですし、ありがたいです。週末、楽しみにしていますね?」



『ああ』



通話を切る。




「盗み聞きは良くないなぁ」



それも全員で聞いていることないじゃないか。



「お待たせ」



誰も何も言わずに歩く。

相手が誰だと聞くのは野暮だ。


もうあたしはREIGNじゃない。



話す義理がない。



屋上からはメインステージが見える。



「賑わってるなぁ」



皆笑ってる。楽しそう。


あたしも、結構、いや相当楽しんでる。



「そろそろ、生徒会も選挙時期ですよね?」



「ああ、今月末に公示だね。」



「優介さんみたいな優秀な人が生徒会長になってくれるといいのにな」



「俺はそんなに優秀じゃないよ」



優介さんは、三國や暁に劣等感を感じてる。

それは薄々感じていたけど



「優秀ですよ。俺、優介さんが会長で良かったなぁってすごい思いますよ?三國や暁だったら、安心して過ごせません」



「おい」



三國が反応する。



皆、秀でているところは違うから。



「風紀委員長なのもちょっと人選疑うし」



「コラてめえ」




< 356 / 457 >

この作品をシェア

pagetop