i -アイ-





「どれだけ頭がキレたとて、それがいいとは限らないと思いますよ?正常なペースを保つペースメーカーが優介さんなんだと思います。鋭い直感を持つリーダーの暁、キレるブレーンでムードメーカーの三國、視野の広いゲームメーカーの司さん、石橋を叩いて渡るペースメーカーの優介さん。猪突猛進のフラッグシップである蓮。」



素晴らしいチームワークじゃないか。



「5人でREIGN。5人だから輝ける。優介さんは結構ネガティブだからいつか伝えたかったんです。あたし、救われたんです。優介さんに、君はいらないよって言ってもらえて」



5人が全員あたしを見る。



「あたしは、5人が嫌いなわけじゃないから。不利益な存在だからいらない。そう言ってもらえて救われました。嫌いだからいらないじゃなくて、その理由なんだよって改めて言ってもらえたみたいで」



改めて、念を押させてもらう。



「これからも5人でREIGNっていう存在を輝かせて行って欲しい。この先のREIGNを楽しみにしています。……もうあたしのところには来ないで」



ニコッと笑って、屋上の出口に向かう。



屋上はあたしたち以外誰も人がいない。

ここなら安心。


だからここに来た。

碧さんにも聞かれてない場所。




< 357 / 457 >

この作品をシェア

pagetop