i -アイ-
「2人ともいたのか。久しぶり。元気そうだな」
ニコッと2人に笑いかける碧さん。
碧さんの父親が鬼龍灯志の側近だったことから、ここは結構仲がいいらしい。
「碧さんこそ、元気そうで良かった」
ニコニコしている臣さん。
素直そうな人だけど、これが演技だった場合なかなか凄いなぁ。
「ん。変わりない。」
空気感は普通。
この男ふたりは。
「音羽、綺麗だね。似合ってる」
兄のように褒める碧さんに対し、冷めた顔が軽く赤く染まる音羽さん。
音羽さんの着物は白地に金が散りばめれたような目を引くデザインで、髪も綺麗にアレンジされていて髪飾りも白の華奢なもの。
儚さの象徴みたいだ。
まあつまり、凄く綺麗。
そんな美人さんが、一周り年上の男性に褒められて頬を赤く染めるということは、
まあ、そういうことだろう。
15歳差なら有り得るし、碧さんはかっこいいしな。
まあ、恋愛対象は男だけど。
「碧さんも、変わらず素敵ね」
碧さんを見上げ、微笑する音羽さん。
目を奪われるくらい綺麗だ。
「ありがとう、音羽。じゃあ、俺たちは1度出るよ。また後ほど」
そんな音羽さんに対してもさっぱりな碧さんは、あたしを一瞥して歩き出す。