i -アイ-
藍side
「あーーー疲れた」
碧さんの部屋のソファに項垂れる。
さすがにREIGNの皆の圧とは、違う。
「お疲れ。」
あたしの頭をポンポンと撫でてくれる碧さん。
「碧さんもお疲れ様です。」
「藍人は凄いね。臣も岸も手なずけちゃったの?」
岸のこと、あの短時間でどこで分かったんだ?
「岸からさっきショートメールが来ていたよ」
ああ、そういう事か。
「手なずけたわけじゃありませんよ。俺は別に仲良くなりにあの場に行ったんじゃありませんし。ただ、碧さんの隣に立つなら、それなりに波風立たないように振る舞うのが1番かと」
ソファに座り直して腕時計を外してテーブルに置く。
乾燥機のところまで歩いて部屋着を取って、
「先、シャワーもらいます」
「ん」
ソファに座り、足を組んでタブレットを見ている碧さん。
ここに通うようになってそこそこ経つけど、利人さんと暮らしていた頃に段々似てきている気がするな。
……まあ、気を抜きすぎるのは良くないけど。
シャワーを浴び終えて寝る支度が整った時、スマホが震えた。
『暁』
今の時間は、23時。
寝てたって後で言ってもいいだろうけど。
「ん、どした」
今は、声が聞きたい気分だ。
『大丈夫か』
この人はあたしのお父さんか何か?