i -アイ-
「あはは、俺もお前みたいに遊んでたーい」
チュッパチャップスを口に加えて人懐っこい笑顔で話す慎。
パンッと亮が教科書で慎の頭を叩く。
「お前は授業ちゃんと聞いとけ。平方根分かんねえってどういうことだ馬鹿」
慎に勉強を教えてやってる亮。
俺の同じぐらいには勉強ができる方。
俺と亮も榛人と同じ括りにならなければ頭が良いと胸を張って言えるんだろうが、榛人は規格外。
「別に榛人とラーメン行きたくないって言ってるわけじゃないんだから、そんな騒ぐことじゃないでしょ」
ゲームをしている聖が宥める。
榛人はみるみる笑顔になって
「そっか!そうだよな!」
なんでこんなやつがモテるんだって話。
一見そう思えても、本当は全部分かっていての行動だったりするからこいつは怖い。
それに慣れてしまっているのが、REIGNのメンバーだ。
榛人は全てが見えてしまう。
頭が良く、人の心に聡いから。
俺を拾ったのだって、暇潰し。
自分がどれだけの人間を救えるか。
どれだけの力があるのか。
それがこいつの行動原理なんじゃないかと思う。
「皆構ってくんねーから帰ろ」
拗ねたように立ち上がる榛人。
それに合わせて全員荷物をまとめ始める。
「今度はどこ?」
聖が聞く。