i -アイ-
苗字を書くと、
「俺のも」
後ろからそう言われた。
振り向くと、そこにはだるそうな佐伯が居た。
「へえ。こういうのもちゃんと参加するんだ?」
「参加しねえと優介さんがめんど、いや怖いからな」
あ、面倒臭いのか。
スポーツフェスタは、大まかにKingチームとJokerチームというチームどちらかにクラスが所属していて、チーム優勝と、各クラスでのクラス優勝があるらしい。
「私達、1-AはKingチームです。Kingは生徒会長の桜庭優介様です」
わあ、そんなのあるんだ。
そして、椿さん、安定で様付け。
「そしてJokerチーム、Jokerは風紀委員長の橘三國様です」
「ぶっ」
はい。
吹いたのは私です。
「おい、何笑ってんだ」
滝谷が焦ったように言う。
「ごめっ、いや、だって、三國が風紀って」
乱す側だろ、あれは。
「ふっ、くくく、ごめん、椿さん、続けて」
無理、しんどい。
その時間はずっとツボってた。
我慢できずに利人さんに、LINEすると、
『あいつ馬鹿だな』
と返ってきてそれも面白かった。
「あー笑った。三國が風紀委員長は頭おかしいわ」