i -アイ-




「警察を呼べ、ね」


碧さんにそうお願いした。

対極しているはずの二つ。


「碧さんレベルになると、そういう世界とも繋がっているだろうと思って」


じゃなきゃ、とっくのとおにヤクザなんて存在しないだろう。


「これで、ひとつ貸しが出来たわけですし」


世の中真っ白なもんばっかりで成り立っているなんて、この期に及んであたしも思っていない。


汚れたものを容認するつもりはないが、これも現実だ。



「学校はどう」


いきなり話題が変わった。


「俺みたいな人間とつるんでるのはバレてない?あそこは結構厳しいからね」


……この人も自分の家のことがバレて退学したんだっけ。



「大丈夫ですよ。学校じゃ優等生ですから」



「そう」



「碧さんは何故黎鳳を辞めたんです?」



この際聞いてしまった方がいい。



「バレそうになったんだよ、親が鬼龍の人間だってね。」


「バレてからでも遅くなかったんじゃないです?」


「はは、分かっていて聞いているね?藍人」



そういうことか。


バレてからだと、REIGNのつるんでいた人間が疑われる。

良くないイメージがつく。


裏社会と繋がっているんじゃないか、って。



< 412 / 457 >

この作品をシェア

pagetop