i -アイ-
佐伯蓮side
「蓮、最近藍どんな感じだ」
暁さんに聞かれる。
どんな感じ、と言ってもな。
「強いていえば、考え事をしてる時間が長くなっている気がします。」
「あいつ見てると妙に焦るんだよね」
「司は焦ることないでしょ」
司さんがゲームをしながらため息をついて、優介さんが嫌そうな顔をする。
司さんは模試トップクラスの秀才だから、頭の良さなら藍人に負けないはず。
優介さんは多分、そう言いたいんだと思う。
「暁、お前連絡とってねえのか」
アイマスクをしていた三國さんがアイマスクを取って、暁さんを見る。
「この間連絡した。23時頃だったんだが、男の声が聞こえた」
「あ?」
「まあ、今度説明するって焦った様子もなく言ってたからそういうんじゃねえとは思う」
薄々、感じてはいるが、暁さんと三國さんは藍人、いや御庄藍の事が好きなんだと思う。
そして、藍人は暁さんと話す時の雰囲気が違うから、そっちなんだろうけど。
三國さんは嫌がりながらもその2人の手助けをしている感じ。
「詮索するなって感じだったから、動かない方がいいんだろうけど。」